メカニックデザイナー 大河原邦男

メカデザインFOR 1/1

形状と色彩の奥に隠された1/1のイメージ。
大河原デザインのリアルを解き明かす。

丸みを帯びたフォルム。各部から突き出た動力パイプが特徴の「モビルスーツ・ザク(機動戦士ガンダム)」。リベットが打たれた装甲板、ジープのような角張ったデザインをモチーフとする「スコープドッグ(装甲騎兵ボトムズ)」。知能を持つロボット犬としてコミカルに描かれた「ヤッターワン(タイムボカンシリーズ ヤッターマン)」。どれもメカデザイナー大河原邦男氏の代表作である。これらのメカは、作品の世界観や監督の求めるイメージの反映のほかに、ある特別な概念に基づいてデザインされている。それが、リアルなサイズとしての実物大(1/1)のイメージだ。3.8メートルのスコープドッグと17.5メートルのザク、5.5メートルのヤッターワンは、まるで異なる言語を話すように、スケールを自在に変えてデザインされていた。しかし特筆すべきは、大河原氏にとっての“1/1”は、作品設定上の概念とは限らないことだ。映像の演出としてのメカデザイン、そして遊べる玩具としてのメカデザイン。その状況・その時代において、最も必要な概念としての“1/1”を用いる。作品の世界観からビジネスまで、大河原邦男氏の頭の中には、あらゆる“1/1”がリアリティを持って存在しているのだ。リアルロボットからギャグ作品まで、他のメカデザイナーには真似のできないほど幅の広いデザインを生み出せる理由のひとつといえるだろう。
「メカデザインfor 1/1」は、単なる原画の紹介にとどまらず、“1/1”というコンセプトで大河原デザインのコンテクストを読み解いていくプロジェクトである。